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JR東海の「中央新幹線」構想について

12/25日付で、JR東海が、「自己負担を前提とした東海道新幹線バイパス、即ち中央新幹線の推進について」を公表した。

同社の趣旨はまさにこの長いタイトルにすべて含まれているといってよい。注目すべき点は、

(1)東海道新幹線のバイパスとの位置づけであること。
過去新幹線の関連書物を読むと、東海道新幹線のインフラには寿命があるので、その代替としてリニアが考えられている、といった記述があったが、代替ではなく、線増という位置づけになること。

これは、現在試作されているリニアは、車体断面が現行の新幹線よりも狭く、座席も2+2が限界であることや、運転間隔が現行の新幹線のように数分程度まで詰められるかわからないもとでは、リニアだけの時間あたりの輸送力は現行の東海道新幹線を下回ってしまう懸念があることので、当然であろう。

(2)自己負担で建設すること。
今回の公表文では、既存の東海道新幹線を維持しつつ、中央新幹線に投資してもJRの債務残高は十分返済可能な範囲にとどまるという試算が添付されている。

試算の条件が特に甘いという印象は受けなかったが、ポイントは、現在でも競争の激しい航空機とのシェア争いがどのようになるか、であろう。2025年までには画期的な航空技術が出現し、運賃が大きく下がることも考えられる。そうした場合、巨大な資本投下を伴うリニアには投資リスクが伴う。

どのような大型投資案件でもそうだが、投資を決定する時点では不確実性が大きく、結果はまさにふたを開けてみないとわからない。東海道新幹線でも、自動車が台頭してくる時期にこのような建設を行うのは戦艦大和並に時代遅れだ、という主張が横行したらしい。そうした反対意見を押し切って完成させた国鉄幹部も偉いが、今回はどうであろうか。

今回のJRの公表文の最後には、自己資本で建設するのであるから、行政等からの介入は受けないとの確認を国土省にとる、とあるが、この点はまさにこのプロジェクトの最大のポイントかもしれない。その意味では、JR東海の進め方は間違ってはいないのではないかと思う。

12/27日記

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